バスキュラーアクセス(血管アクセス)とは
透析治療を行うには、体内から十分な血液を取り出し、きれいにして戻すための“通り道”が必要です。
この通り道のことを「バスキュラーアクセス(血管アクセス)」といいます。
当クリニックでは、患者さんの体調や血管の状態に合わせて、以下の方法に対応しています。
■ 内シャント(自己血管シャント)

自分の動脈と静脈を直接つなぎ合わせて、血流の多い血管をつくる方法です。
・透析で最も標準的な血管アクセス
・長期使用に適しており、管理もしやすい
・定期的なエコー検査で狭窄などを早期に発見し、PTA(風船治療)で対応します
■ 人工血管シャント(人工血管グラフト)

ご自身の血管ではシャント作成が難しい場合に、人工の血管を使って作成します。
・比較的早く使用可能
・感染や血栓などに注意が必要です
・定期的な管理が重要です
長期留置カテーテル

透析治療では、通常「シャント」と呼ばれる血管アクセスが用いられますが、血管の状態やご病気の影響でシャント作成が難しい場合には、「長期留置カテーテル」という方法が選択されることがあります。
このカテーテルは、首(内頚静脈)や鎖骨下、大腿の太い静脈に、皮下に固定できるカフ付きのチューブを挿入して使用します。透析の際には、体から血液を取り出し、透析器で浄化された血液を再び体内へ戻す経路として機能します。
■ 長期留置カテーテルが用いられるケース
・シャントの作成が困難な場合
・一時的にシャントの使用ができない場合(感染や閉塞など)
・血管がもろくなって使えない場合や、心臓の機能が低下している場合
■ 日常管理と注意点
カテーテルの出口部の清潔管理が必要です
感染や血栓、閉塞などの合併症のリスクが比較的高くなります
原則として一時的な対応とされ、可能な限りシャントへの移行が推奨されます
当クリニックでは、患者様それぞれの状況に応じて、最適な透析アクセス方法をご提案しています。
長期留置カテーテルが必要な方にも、安全で丁寧な管理を心がけています。
PTA(経皮的血管形成術)とは?
PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮的血管形成術)は、透析に使用するシャント(血液の流れ道)の狭くなった部分や詰まった部分を広げる治療法です。シャントの血流が悪くなると、透析の効果が落ちたり、最悪の場合は透析が行えなくなることもあります。

こんなときに必要です
・シャント音が弱くなった、聞こえづらくなった・聞こえなくなった
・穿刺時に血液の流れが悪い
・透析中の血流量が低下している
・シャント部の腫れや痛みがある
治療の流れ
- 検査(シャントエコーや造影)で狭窄の有無を確認
- 局所麻酔を行い、細いカテーテルを挿入
- バルーン(風船)を使って狭くなった血管を拡張
- 必要に応じてステントを挿入することもあり
- 術後は数時間の安静で、入院不要なケースがほとんど
治療時間・注意点
- 所要時間:30分〜1時間程度(個人差あり)
- 入院:基本的に日帰り(状態により入院の場合も)
- 合併症:出血、再狭窄などがまれにあります
当クリニックの対応
当クリニックで透析を行っている患者様は、可能な限り迅速にシャントの手術およびPTA(経皮的血管拡張術)を当クリニックで行う事が可能です。
シャント関連手術の専門性が高く経験豊富な院長が治療します。
透析室のスタッフも治療室に入るので、安心して治療が行えます。
当院で行った手術、PTAは入院せずに、治療後その日のうちに帰宅することができます。
手術・PTAが困難な患者様については、近隣の連携病院へ紹介させて頂きます。
当クリニックでは、シャントエコー検査や評価に力を入れています。
早期に血流異常を発見し、必要に応じて提携医療機関と連携しながらPTA治療を迅速にご案内しています。

バスキュラーアクセス治療時・近隣の主な紹介先・提携医療機関
・草加市立病院
・秀和総合病院(春日部市)
・てとあしの血管クリニック東京 他